東京福めぐり(蛇窪神社編)『江戸の残り香、未来のノート』Short_Story

蛇窪神社、蛇窪龍神社、佐久間とやよい 短編(フィクション)
蛇窪神社、蛇窪龍神社、佐久間とやよい

【特別短編:蛇窪神社編】『白蛇の戻り道と銭洗いの水しぶき、八社満願に誓う『永遠の絆』』

[1. 戸越公園駅から白蛇様の戻り道を辿って]

秋晴れの心地よい風が吹き抜ける品川・中延。 東急大井町線の戸越公園駅を降りた佐久間とヤヨイは、白蛇様が一休みされたと伝わる『大原不動尊』を経て、かつて白蛇が元の住処を恋しがって歩いたとされる「白蛇様の戻り道」を辿り、蛇窪神社の鳥居前へと辿り着いた。

「はぁ……っ! 佐久間君、見てちょうだい! 戸越公園駅から大原不動尊様を通って歩いてきたけれど、白蛇様が昔歩いた道をこうして二人で辿ると、まるで歴史の足音を直接聴いているみたいね! 白い幟旗がはためく境内、ものすごい活気と神気だわ!」

白と藤色のグラデーションが美しい秋着物に身を包んだヤヨイが、丸眼鏡の位置を直しながら取材ノートを抱きしめて目を輝かせる。 木々模様のジャケット姿の佐久間がヤヨイのカメラバッグをサッと片肩へ背負い直し、力強く左腕を差し出した。

「鎌倉時代の雨乞い伝説に始まり、かつてこの地に棲んでいた白蛇が戸越公園から元の住処へ戻りたいと願ったことから『白蛇様の戻り道』の伝承が生まれました。主祭神の天照大御神、白蛇辨財天社、蛇窪龍神社がお祀りされている、都内屈指の金運・大願成就のパワースポットです」

[2. 法密稲荷の重軽石と、白蛇清水の銭回し・銭洗い]

本殿で天照大御神に手を合わせた後、可愛らしい狐の像が並ぶ『法密稲荷社』へ。水掛宝珠に水を注ぎ、重軽狐石を持ち上げて願いの軽さに微笑み合う。続いて夫婦の『撫で白蛇』を優しく撫で、全長八メートルの龍神像が鎮座する『蛇窪龍神社』を参拝。そして授与所で『白蛇種銭』を拝受し、名物の銭回し・銭洗い所へ。

「金杯に白蛇種銭を乗せて、石臼を時計回りにゆっくり三回回す『銭回し』……! 佐久間君と一緒に回すと、社会も私たちの未来も、全部が良い方向へぐるぐると回っていく実感が湧いてくるわ!」

「ええ。そしてこのザルに種銭と自分のお札を入れ、かつて白蛇が棲んでいた井戸水『白蛇清水』で清めます。清めた種銭を持って白蛇辨財天社へ参拝し、お財布へ大切に納めましょう」

清らかな白蛇清水で種銭を洗い清め、辨財天社で深く祈りを捧げたヤヨイの表情には、澄み切った清々しい光が満ちていた。

[3. 八社大願成就の誓いと、永遠の伴走]

境内の一角、木漏れ日が揺れるベンチへ。佐久間は授与所で拝受した『白蛇辨財天御守』と、八社すべての朱印が美しく揃った『東京福めぐり開運八社折丁』を広げた。

佐久間はお守りをヤヨイの細い手のひらに乗せると、そのまま彼女の指先ごと自身の大きな手でガチッと力強く包み込んだ。

「あ……佐久間君……っ?」

「ヤヨイさん。浅草神社から始まった東京福めぐりの八社が、今ここにすべて一つの輪として結ばれました。七匹の白蛇が龍となって天へ昇るように……あなたの紡ぐ言葉という類まれな才能を、僕が命を懸けて最高の高みへ押し上げ続けます。どんな時代が来ようと、あなたの隣で生涯伴走し続けます。……僕の人生の主役は、一生ヤヨイさん、あなただけです」

「……っ、もう! 八社を結ぶ最高の秋晴れの下で、そんな真っ直ぐで男前な瞳で見つめながら生涯の誓いをしてくれるなんて……っ。胸が熱くなって、丸眼鏡が嬉しさで曇っちゃうじゃない。……あなたという最高のプロデューサーと一緒だからこそ、私はここまで歩んでこられたの。私の言葉も、私の未来も、私の人生のすべてを……あなたにずっと預けるわ!」

[4. 八社満願のその先へ]

参拝を終えた二人は、中延のカフェで満願を祝いながら未来のノートを開いた。

「浅草から蛇窪様まで、最高の八社巡りになったわね、佐久間君!」

「ええ。ですが、僕たちの旅ノートはここからさらに新しく広がっていきます。次の旅も、ずっと僕の隣にいてください」

「もちろんどこまでも一緒よ! あなたの手を絶対に離さないわ!」

秋の中延に響く風鈴の音と、二人の満面の笑み。 白蛇様と龍神様の大願成就の福に見守られ、開運八社巡礼を満願成就した二人の絆は、これからはじまる無限の未来へ向かって、どこまでも甘く、そして永久に結ばれていくのだった。

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